腸内フローラの改善で期待できる7つの効果

2015年2月にNHKスペシャルで「腸内フローラ/解明!驚異の細菌パワー」が放送されて以来、多くのテレビ番組や雑誌で腸内フローラが話題になり、多くの人が腸内環境の改善に注目するようになりました。

ヨーグルトを食べたり、食物繊維や乳酸菌のサプリメントを摂取したり、腸内フローラを改善するための対策方法はいくつかありますが、「なぜ、それがよいのか」を知っておかないと、その効果も半減してしまいます。

そこで、今回は、医師による研究結果や出版物(書籍)などをもとに、腸内フローラを改善することで期待できる効果や、その対策方法をまとめてみました。お役に立てれば幸いです。

腸内フローラの改善で期待できる効果

私たちの腸内には、数百種類、100兆個以上の腸内細菌が生息しています。

この腸内細菌のかたまりを、腸内細菌叢といい、それがまるでお花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。

最近、「腸内フローラ」を改善することで、美容や健康に良い影響を与えることが話題になっていますが、今回は、以下の7つの期待できる効果に絞って解説していきます。

  1. 肥満改善、ダイエット
  2. 便秘解消
  3. 美肌、アンチエイジング、若返り
  4. 女性の更年期症状
  5. 肌荒れ、ニキビ改善
  6. 花粉症、アトピーなどのアレルギー改善
  7. 糖尿病予防、血糖値の正常化、メタボ改善


腸内フローラを改善すると、なぜ「肥満防止」や「ダイエット」につながるのか?

「あの人は、いくら食べても、まったく太らないよね。うらやましいわ。」と思うような人が、あなたのまわりにもいませんか?

この「食べても太らない体質」というのが、実は、腸内フローラと大きく関係しています。

2013年9月、世界的な科学雑誌「サイエンス」に、「腸内フローラの乱れが肥満体質の原因になる」という衝撃的な研究が掲載されました。

(出典:「腸内フローラ10の真実」(NHKスペシャル取材班:著)

食べても太らない体質の人は「短鎖脂肪酸」という物質を作る腸内細菌が活発だということが最近の研究結果でわかっています。

そもそも肥満は、使われずにあまったエネルギーが脂肪になって体に蓄積されることによって起こりますが、「短鎖脂肪酸」は脂肪の蓄積をストップさせる働きがあります。

つまり、腸内フローラを改善することにより、「短鎖脂肪酸」を作る腸内細菌が活発になれば、それが肥満防止やダイエットにつながるのです。





短鎖脂肪酸を作る腸内細菌に「食物繊維」「オリゴ糖」を与えて「やせ体質」に

腸内細菌は、食物繊維やオリゴ糖をエサにすることで「短鎖脂肪酸」を作り出していますので、日々の生活で「食物繊維」や「オリゴ糖」をしっかり摂取することを心がけることが「やせ体質」につながります。

食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ特性が異なりますが、水に溶けやすく発酵性の高い「水溶性食物繊維」が腸内細菌のエサになりやすいと考えられています。

ですので、腸内フローラを改善して「やせ体質」を作るには、食物繊維の中でも、特に「水溶性食物繊維」をとることが大切なのです。

なお、食事でとることができる水溶性食物繊維としては、りんごやもも、いちごなど、果物に多く含まれる「ペクチン」、こんにゃくに豊富に含まれる「グルコマンナン」、わかめや昆布など、海藻のヌルヌルした部分に含まれる「アルギン酸」が代表的です。

玉ネギは、腸内細菌の大好物であるオリゴ糖と水溶性の食物繊維をバランスよく含んでいます。

(出典:「最新!腸内細菌を味方につける30の方法」藤田絋一郎:著)

その他、玉ネギなども腸内フローラを改善するための食材としてはよいとされてるので、積極的に食べるようにするとよいでしょう。




腸内フローラの改善が「便秘解消」につながるメカニズム

腸内フローラには、良い働きをする腸内細菌、悪い働きをする腸内細菌、どちらでもない腸内細菌、というように様々な種類の腸内細菌が集まっています。

これらは便宜的に「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」とも呼ばれますが、先ほどお話ししたような腸内フローラに良い食品を日々の生活にとりいれていくと、良い働きをする善玉菌が増えていきます。

善玉菌は、乳酸や酢酸などの「酸」を作り出しますので、善玉菌が増えると、腸内は酸性に傾いていきます。

腸内が酸性に傾くと、悪玉菌の増加が少なくなり、また、酸による刺激で腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)も活発になり、便秘も解消される。

このようなメカニズムで、腸内フローラの改善が便秘解消につながってきます。

まとめると、「腸内フローラに良い食品をとる」→「善玉菌が増える」→「腸内が酸性に傾く」→「悪玉菌の増殖がおさえられる」→「腸が活発になり便秘解消」という流れです。

 

便を見ると腸内フローラの状態がわかる!?

便(うんち)は、水分と食物繊維、そして腸内細菌(死菌も含む)からできているので、腸内環境の状態を測るバロメータとも言われています。

便の色やにおいから、自分の腸内フローラが善玉菌優勢なのか、悪玉菌優勢なのか、ある程度チェックすることができるので、その判別方法を知っておくとよいでしょう。

理想的な色は黄色ですが、健康な大人の場合、黄色みがやや強い黄褐色でしょう。

脂肪やタンパク質だけをたくさんとると腸内で腐敗が進み、便は茶褐色~黒褐色になりますし、便秘をすると腸内の腐敗はさらに進んで、かなり黒ずんだ褐色となります。

つまり、便の色は黄色から遠ざかれば遠ざかるほど、腸内フローラが悪玉菌優勢になっていると考えて間違いありません。

(中略)

便のにおいの主成分はインドール、スカトール、硫化水素、アミン、酢酸、酪酸などで、とくに悪臭のもとになるのがインドール、スカトール、硫化水素、アミン。これらはタンパク質が腸内細菌によって分解されてできたものです。

したがって、悪臭がする場合は、腸内に悪玉菌が増殖して腐敗物質が多い証拠。腸内がビフィズス菌優勢になれば、くさくなくなってきます。

(出典:「老化は腸で止められた」光岡知足:著)





(画像出典:フジッコ「善玉菌のチカラ」)

腸内フローラの理想的な状態とは?

私たちの腸内には、1000種類、1000兆個以上の腸内細菌がいることが最近の研究でわかっています。

そして、それらは、「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」という3つのグループに分けることができます。

善玉菌は、ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌や乳酸菌などが代表的な例で、私たちが健康で若々しくいるためのサポートをしてくれます。

これに対し、増えすぎてしまうと、様々な病気のもとになったり美容に悪影響を及ぼすのが悪玉菌で、代表的なのはウェルシュ菌です。

ただし、悪玉菌は悪いことばかりするのではなく、体外から入ってくる有害物質をやっつける働きもあるので、ある程度の割合は必要とされています。

そして、日和見菌は「善玉菌と悪玉菌のバランスを見て優勢なほうに見方をする」という性質があり、その性質から「日和見」菌と呼ばれています。

つまり、善玉菌が優勢な状態を保っておけば、日和見菌が善玉菌の見方をするので、免疫力も高まり病気にもなりにくく、美容にも良い影響が生まれるわけです。

なお、腸内フローラの理想的なバランスは、「善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1」とされていますが、善玉菌は加齢とともに減っていきますので、食事やサプリメントなどで積極的に摂取する必要があります。



オリゴ糖入りヨーグルトは相乗効果で善玉菌を増やす

腸内フローラの改善を目的にヨーグルトを食べるなら、まずおススメなのはオリゴ糖入り。

先ほどもお話ししたように、オリゴ糖は乳酸菌をはじめとする腸内細菌たちのエサとなります。

つまり、ヨーグルトとオリゴ糖の相乗効果で乳酸菌が増え、腸内環境が良くなるのです。

なお、ヨーグルトは一度にたくさん食べると、脂肪分や糖分のとり過ぎになるので、食べ方には注意が必要です。

また、効果を持続するためには、毎日食べ続けることが大切なので、ヨーグルト選びをするときは「食べ続けられる味かどうか」というのもポイントになります。

一日に100gから150g入りのカップ一つで十分です。ただし重要なポイントは、カップ一つを毎日食べ続けることです。一度にたくさん食べて、その後しばらく食べない、というサイクルでは、腸内環境を良好に保つことはできません。

(中略)

乳酸菌をコンスタントに腸に送り続けることで、腸内環境は整っていきます。

(出典:「おなかの調子がよくなる本」福田真嗣:著)




腸内フローラの改善が「美肌」や「アンチエイジング」「若返り」に効果的な理由

腸内環境を整えることにより、腸内細菌が「短鎖脂肪酸」を活発に作るようになれば、太りにくい「やせ体質」になると考えられてますが、このほかにも腸内細菌が作り出す物質が、私たちの体に良い影響を与えることが、さまざまな研究によって判明しています。

そのひとつが、「エクオール」という肌の健康を保つ物質です。

最近の研究では、肌の老化の早い遅いを決めているのは腸内細菌かもしれないと考えられていて、腸内細菌が作り出す「エクオール」が目じりのシワや肌のハリの改善に期待できると研究が進んでいます。

エクオールは大豆イソフラボンよりも高い効果を持つ

肌のハリや髪の潤いを保つ「女性ホルモン」に似た働きをする成分ということで、以前、大ブームになった「大豆イソフラボン」

エクオールも、大豆イソフラボン同様、女性ホルモンと似た構造を持っていて、より高い効果を持つことがわかっています。



腸内フローラの改善は「更年期症状」の改善にも効果的

腸内フローラが改善され、腸内細菌が活発になり、エクオールがより多く作られるようになれば、更年期症状の改善への効果も期待できます。

エクオールは女性ホルモンとよく似た構造を持ち、女性ホルモンの代わりとして働きます。

つまり、女性ホルモンの分泌量が減少することによって起こる更年期症状に、腸内細菌が作り出す「エクオール」が、それを補う働きをするので、腸内環境を整えることは更年期症状の解消にも効果的だと考えられているのです。



 

腸内フローラの改善と「肌荒れ」「ニキビ」との関係

腸内フローラが乱れると、自律神経の働き、皮膚の血行が悪くなり、新陳代謝も悪くなりがちに。

その結果、肌荒れやニキビなどのトラブルが起こってしまいます。

また、肌のシミやシワ、ハリやつや、くすみなどの原因のひとつに「活性酸素」があげられますが、この活性酸素も腸が健康な状態であれば、しっかりとブロックしてくれます。

肌荒れやニキビは、皮膚科に通ったり、化粧品を変えたり、クリームを塗ったりというような「外側からのケア」だけでなく、食事などにも目を向けて腸内環境を整えるなど「内側からのケア」も重要です。




腸内フローラの改善は、花粉症、アトピーなどのアレルギー改善にもつながる

「短鎖脂肪酸」や「エクオール」のように体に良い影響を与える物質を、腸内細菌が作り出すことが数々の研究でわかってきていますが、花粉症、アトピーなどのアレルギーの改善面でも腸内細菌の研究が進んでいます。

免疫を抑制する細胞を増やす腸内細菌を発見
-炎症性腸疾患やアレルギー疾患の予防・治療への新たな可能性-

JST 課題解決型基礎研究事業の一環として、東京大学 大学院医学系研究科の本田 賢也 准教授らは、消化管に常在するクロストリジウム属細菌が、免疫抑制に必須の細胞である制御性T細胞(Treg細胞)の産生を強力に誘導することを明らかにしました。

(出典:平成22年12月24日科学技術振興機構(JST)

Treg(Tレグ)細胞は、アレルギーや自己免疫疾患の分野において、いま世界中の科学者が研究していますが、このTレグが腸内細菌を活発にすることで増加することが明らかになっています。

「短鎖脂肪酸」や「エクオール」を生み出す腸内細菌と同じく、「Tレグ」を生み出す腸内細菌も「食物繊維」をエサにしていますので、食物繊維を多く摂取するような食生活に改善することで、花粉症やアトピーなどのアレルギー改善にもつながると考えられています。





腸内フローラの改善と糖尿病、血糖値の関係

腸内フローラのバランスが「糖尿病」や「血糖値」に影響を与えるということも、研究が進んでいます。

米イリノイ大学が糖尿病の発症リスクの高い男性を対象とした調査で、血糖コントロールと腸内細菌には強い関連があることが示された。

(中略)

順天堂大学の研究チームは、2型糖尿病患者では腸内フローラのバランスが乱れやすいという研究を昨年の6月に発表した。腸内フローラが乱れることで、腸内でのみ生息しているはずの腸内細菌が血液中で検出され、炎症を引き起こしている可能性があるという。

(出典:糖尿病ネットワーク

腸内フローラの状態が、善玉菌が多い場合は血糖コントロールも良好で、悪玉菌が多い状態だと血糖値のコントロールが正常に働かないということが研究でわかっています。また、肥満体質と同様、糖尿病になりやすい体質というのも腸内細菌が関係している可能性があると研究が進んでいます。

血糖値のコントロールが正常化すれば、糖尿病以外でも、メタボの改善など様々な生活習慣病の改善につながるので、腸内フローラの改善をしっかりと意識することは、とても大事です。

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公開日:
最終更新日:2016/04/30